ピティナ開発者ブログ

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FileMakerServer16にDigiCertのEVマルチドメイン証明書を入れる

(今年度)明けましておめでとうございます。4月ですね。早い……! すっかり春、というか初夏の陽気です。Hiroyuki Noguchiです。

前提

FileMaker の公式サイト「テスト済み証明書」について

FileMakerの公式サイトには、「テスト済み証明書」の一覧に DigiCert が公認証明書として記載されていません。
けれど使えるはず! と思い、試してみたところ、無事に動作してくれました。よって、以下自己責任ということで。

FileMaker Server 15 以降でのセキュリティ設定

DigiCert の EVマルチドメイン証明書

以下です。国内の代理店だと RMSさん が対応が親切で良いです。(といっても決して他が悪いとかではありません)

rms-digicert.ne.jp

既にこちらを取得して運用しているものとして話を進めます。取得していなかったら申請からおこなってください。もちろん、マルチドメインでの運用が想定されないのであれば、ただの EVSSL で良いと思います。
その他、SSL 関連の基礎は飛ばしていきます。

環境

今回用いた環境は以下です。

  • FileMakerServer16(複数マシン展開はしない)
  • WindowsServer2012
  • IIS10

FileMakerServer からCSRを発行する

まず、CSR を発行します。このマルチドメインは、公式ページに書いてあるワイルドカード証明書とは別モノなので、以下の手順で普通に発行してください。
なお、IISを触り慣れている場合、IISCSRの発行をおこなってしまいがちですが、これだと途中で詰みます。FileMakerServerからの発行をおこないます。

  • FileMakerServer の Admin Console を起動。
  • データベースサーバー → セキュリティ を開く。
  • 「データベース接続に SSL を使用する」にチェックを入れて、一度、「適用」ボタンを押す。
    • 【注意】公式の手順には書いていないけれど、これをしないと、「要求の作成」ボタンが enable 状態にならない。
  • 「要求の作成」ボタンを押して以下の入力を進める。
    • ドメイン名」: hogehoge.fugafuga (実際にこのサーバで使うドメインを指定)
    • 「会社名」:日本語でもOKです。
    • 「プライベートキーのパスワード」:後で使うので忘れないように。
    • それ以外の情報は任意です。なくてもOK。
  • 次のファイルが インストール先Path/FileMaker Server/CStore/ フォルダに生成される。
    • serverRequest.pem:これがCSRです。
    • serverKey.pem:証明書をインポートする際に必要なプライベートキーファイル。後で使う。
  • 「ダウンロード」を押して serverRequest.pem を取得。

RMS の担当者さんへ依頼

書くまでもなさそうな段ですが……

  • 依頼は担当者さんへメールで連絡、上記 serverRequest.pem の中身を開いてコピーしてメールに貼付して送っています。ウチでは。
  • しばらくすると、DigiCert 社から認証依頼メールが届くので、承認します。
  • さらにしばらくすると、担当者からメールで CRT 含む各種一式送られてきます。その一式の中に、ルート証明書と中間証明書がなかったら、担当者にくださいとお願いしてください。

FileMakerServer へのインポート

いよいよインポートです。その前に、ルート証明書と中間証明書とを連結させる必要があります。

ルート証明書と中間証明書の連結

  • 名前は分かりやすければ何でもよいのですが、chain.pem を連結後のファイル名としましょうか。
  • ルート証明書ファイルの名前を上記へリネーム。
  • ルート証明書ファイルを開いて、末尾に、中間証明書の中身を貼り付けます。で、保存。
  • 以上。

インポート

  • Admin Console で先ほど CSR 発行した画面を開く。
  • 「証明書のインポート」ボタンを押す。
  • 「署名済みの証明書ファイル」:CRT ファイルを指定。
  • 「中間証明書ファイル」:上記 chain.pem を指定。
  • 「プライベートキーファイル」:上記で「後で使う」と書いておいた serverKey.pem を指定。
  • 「プライベートキーパスワード」:上記で入力したパスワード。
  • 「保存」ボタンを押す。
  • FileMakerServerの再起動で完了。

確認

WebDirect の URL https://hogehoge.fugafuga/fmi/webd/ などにアクセスしてみて、問題なくアドレスバーのところが EVSSL 対応されて緑色になり自分の組織名が表示されていれば OK です!

(著: Hiroyuki Noguchi)
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